【マーケット】サイバーステップ(3810)株価急騰から急落へ

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サイバーステップ株価-暴騰暴落

注目の新興市場銘柄サイバーステップ(3810・東証マザーズ)の株価が急騰し、そして急落した軌跡を備忘録。

本銘柄は、2017年1月から株価(1/6終値398円)が徐々に上昇し始め、4月に入って急騰(4/14終値1,799円)しています。さらに、約5ヶ月で10倍を達成(6/9終値4,310円)し、2017年6月のひと月で10倍から20倍(6/30高値7,980円)にまで暴騰しました。

急騰から急落へ転じた大化け銘柄サイバーステップ(東証マザーズ)

2017年1月の株価から起算すると、6ヶ月で20倍にまで達した、いわゆる“テンバガー株”サイバーステップ。当該企業は、PC、スマホのゲームコンテンツを開発しています。

ゲームコンテンツを開発している企業は多数ありますが、サイバーステップ社は自社オリジナルのゲームコンテンツを開発することに注力していることでも知られています。

ゲーム業界では、「IPタイトル」と呼ばれる版権のある著名なゲームタイトルを開発することが多く、アニメ、キャラクターなどの誰でも知っているようなビッグネームのゲームを開発すると、ヒットする確率が高くなるとみられています。ただ、IPタイトルの場合、版元や参画企業によって収益配分されるため、必ずしも高収益とはいえません。

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2017.1.13 新作ゲームアプリの発表でストップ高に

サイバーステップ株価-暴騰暴落

2017年、新年早々、サイバーステップ社は自社オリジナルPCゲーム「ゲットアンプド」のスマホアプリ版「ゲットアンプドモバイル」を年内にリリースすると発表しました。これに市場は反応し、連日のストップ高をつけるに至っています。

PCオンラインゲーム「ゲットアンプド」は、海外でもリリースされており、累計3,000万ユーザーがプレイしたという実績のある自社タイトルです。

版元などと収益が配分されるIPタイトルに比べ、自社タイトルは高収益となり、業績アップに寄与することが想定されます。そういった思惑からも買いが集まりました。

2017年1月13日
サイバーステップ<3810>が後場に入って急騰し、前日比80円高の455円とストップ高まで買われている。同社は、この日(1月13日)、新作アプリ『ゲットアンプド モバイル』と『Q&Q アンサーズ』の公式サイトを公開しており、市場からはポジティブサプライズとして、今後の業績拡大を期待した買いを集めているようだ。
(引用:Social Game Info)

2017.1.23 7連騰でサイバーステップ株が注目銘柄に

サイバーステップ株価-暴騰暴落

2017年1月13日のリリース以降、新作ゲーム公式サイトの公開やサンリオとの業務提携の発表など、相次いで材料をリリースしました。

さらに、1月23日のリリースでは、収益の柱である既存クレーンゲームアプリ「トレバ」の筐体を100台増設し、計260台の稼動になることも公開されています。

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これによって本銘柄は7連騰となり、1月12日の終値375円から1月23日高値1,335円まで、約3.5倍まで高騰したことになります。

2017年1月23日
13日に新作ゲーム2作の公式サイトを公開したことをきっかけに、買い人気化しているが、本日は、クレーンゲームアプリ「トレバ」の筐体稼働台数が4月までに現在の160台から260台に増加すると発表し、買い材料視された。
13日から本日23日まで7営業日連続でストップ高となったが、このうち4営業日がストップ高比例配分となったため、買い切れていない向きが多く、本日も新たな買い材料浮上に買い優勢の展開となっている。
(引用:四季報ONLINE)

2017.4.7 業績予想の上方修正により一つ上のステージへ

サイバーステップ株価-暴騰暴落

1月の連続リリースにより株価は高騰しましたが、しばらく横ばいの期間が続きました。

本銘柄の株価が大きく動いたのは、2017年4月7日引け後に発表された「2017年5月期の連結業績予想の上方修正」によるものです。営業利益予想が従来の4000万円から3億5000万円に上方修正され、市場は即座に反応しました。

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このリリースによって株価は連騰し、4月7日終値917円から4月14日には高値2,197円まで、5営業日で2.4倍まで高騰しています。

2017年4月10日
営業利益予想を従来の4000万円から3億5000万円(前期は2億8900万円の赤字)に引き上げた。テレビCM開始や大規模増台が奏功し、オンラインクレーンゲーム「トレバ」が好調に推移しているという。同ゲームはスマートフォンやPCブラウザから実際に存在するクレーンゲームの筐体を操作し、景品を獲得すると送料無料で自宅に配送されるというサービス。
(引用:四季報ONLINE)

株価急騰で時価総額100億越えのテンバガー株へ

サイバーステップ株価-暴騰暴落

4月7日の業績予想の上方修正発表以降、特に大きなリリースはありませんでしたが、株価は右肩上がりで上昇し続けています。

チャートを見ると一目瞭然ですが、とりわけ時価総額が100億を超えてからは大きく値が動くこともしばしばで、上昇スピードに拍車がかかっています。これは機関投資家の参入が要因で、くわえて、本銘柄の浮動株数が少ないこともその一因でしょう。

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また、本銘柄の売買が過熱していることから、東証は4月17日、信用取引の新規売買に係る委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)に引き上げる、いわゆる増担保規制を実施しています。

勢いの弱い銘柄の場合、増担保規制後は下降トレンドに入る傾向が強いですが、本銘柄は規制後もさらに上昇し続けています。

勢いの止まらない本銘柄は6月27日についに高値7,980円をつけ、翌日6月28日から信用規制強化が実施されました(委託保証金率を70%以上、うち現金40%以上に引き上げ)。

2017年6月28日
東証マザーズのサイバーステップ(3810)が6日ぶり反落。午前9時12分に前日比640円(8.8%)安の6600円まで下落した。東証が当社株について、28日売買分から信用取引の新規売付け・買付けに係る委託保証金率を70%以上(うち現金を40%以上)に変更した。オンラインクレーンゲーム「トレバ」の好調を背景にこのところ株価が上昇基調を強めていたため、信用規制の強化をきっかけに利益確定売りが先行したとみられる。
(引用:四季報ONLINE)

2017.7.14 2018年5月期大幅減益予想で株価急落

サイバーステップ株価-暴騰暴落

2017年の初値から株価20倍を達成したサイバーステップ株ですが、7月14日引け後に発表した2018年5月期の業績予想は市場の期待を裏切る内容だったようです。

売上高は前期比22.9%増の38億円の見通しとしていますが、営業利益は前期比73.1%減の1億円、純利益は前期比91.2%減の2500万円にとどまると発表しています。

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これに市場は嫌気がさし、2連ストップ安になったあと、7月20日の始値4,110円まで大きく売られ、株価は3営業日で約36%も急落しています。

IRの内容によると、

  • 売上はかための予想をした数字であること
  • 10億円規模のプロモーションを予定していること

などが業績予想の数字に反映されているようです。

裏を返せば、業績予想について上方修正の可能性があることを示唆しているともとれ、また、大規模なプロモーションをしなければ、営業利益も前期比増の決算内容になったのではないか、ともとれます。

そういった見方もあったようですが、憶測に過ぎず、やはり最後は数字での判断ということになり、市場は嫌気がさしたのでしょう。

市場にそういう判断をされることを会社側も予想していたのか、決算発表と同日のリリースで、新作タイトルや「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載解消なども発表されています。

いったんは急落した株価ですが、今後のIR次第では再上昇の可能性も秘めているのではないでしょうか。また、本銘柄は日本経済新聞が発表した「伸びる会社MIDDLE200」にも選定されており、市場だけではなくメディアもその動向には注目しています。

[3810] サイバーステップ(東証マザーズ)

サイバーステップ株価-暴騰暴落

written by 空リュウ

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