そら流│Bリーグ・バスケ

【バッシュ】アンダーアーマー「ネクスト二ホン」の私見・評価

ネクスト二ホン-アンダーアーマー-日本人向け

アンダーアーマー製2018年春夏モデル「ネクスト二ホン」。

日本人向けのワイドラストな設計で開発され、価格帯も税込10,000~13,000円(2018年7月現在)と比較的リーズナブルに設定されています(カラーは4色展開)。

“日本人の足にフィットするストレスのないバッシュ”がどの程度のものか、購入して試走しました。以下は私見による評価です。

日本人の足に沿ったワイドラストな設計「ネクスト二ホン」

アンダーアーマーのバッシュといえばステフィン・カリーが有名ですが、Bリーグでも日本代表で川崎ブレイブサンダース所属の辻直人とパートナー契約を結ぶなど、徐々に裾野を広げる施策に取り組んでいます。

これまでアシックスユーザーで通してきましたが、GB22のデザインを見て唖然。今後のアシックスに不安を覚え、選択肢を広げるためにも、GB21が現役のうちに、アンダーアーマーのバッシュにチャレンジすることにしました。

個人的にもともと甲の幅が広いので、ネクスト二ホンを一目見て、このワイドな設計が自分には合っているだろうと感じたのが購入のきっかけ。

ワイドラストな設計が生むフィット感

ネクスト二ホン-アンダーアーマー-日本人向け

日本人に向けて専用設計されたラストは、見た目そのままにかなりワイドに映ります。TPUコーティングを施した糸で編まれたアッパーは柔軟性と通気性があり、かつ丈夫な印象を受けます。

メッシュ仕立てのアッパーの場合、使い込むうちに擦れて破れてしまいそうですが、ネクスト二ホンのアッパーはTPUコーティングによって強度が増している感じ。

初めて足を通したときの印象は、そのフィット感。無駄な隙間がなく、足にぴったりフィットしている感じがしました。馴染むまで少し時間がかかるかなと想像していましたが、なるほどストレスを感じることはありませんでした。

メーカーサイドもこの点をアピールポイントとして提示しています。

  • TPUコーティングを施した糸で編むことで、フィット、通気性、軽量性というニットアッパーの特性に加え、サポートを提供する
  • 日本人向けのラスト採用:前足部をやや広めに設計し、甲周りは余分な隙間を排除したラストを採用
  • ストレスのない快適なフィットを提供するとともに、シューズ内での足ズレを抑制し素早い動きを実現する

次の一歩を生成するクッショニング&グリップ

ネクスト二ホン-アンダーアーマー-日本人向け

プレイヤーのパフォーマンスを左右するといっても過言ではないクッション性とグリップ力。

ネクスト二ホンのミッドソールはマイクロGとチャージドフォームを搭載し、高反発なクッション性を実現しています。クッショニングは若干硬いかなとも感じましたが、高反発ならではの反発力だとすれば、あとは慣れ。疲れなどは感じなかったので、優れたミッドソールといえます。

そしてもっとも気にかけていたのがラバーのグリップ力。滑るバッシュだけは履きたくないので、細心の注意を払って確認したのがグリップでした。この項目も◎。“ラバーはアシックス”と認知してきたので、アンダーアーマーのラバーがどれほどかと、期待半分不安半分でした。ネクスト二ホンは“止まるバッシュ”ということで一安心。

日本人の足のために生まれたアイテム

ネクスト二ホン-アンダーアーマー-日本人向け

アンダーアーマーのバッシュは今回が初めてですが、ネクスト二ホンのファーストインプレッションは◎。違和感や痛みなどはなく、足に合わない場合によくあるストレスなどもまったく感じませんでした。

今後の選択肢として、まずはバッシュ選びの入り口であるメーカーが、アシックスとアンダーアーマーの二択となりました。

  • 私見による性能比(NN=ネクスト二ホン、GB21=ゲルバースト21)
項目NNGB21短評
グリップNNのグリップ力も秀逸
クッション◎+NNのクッショニングは高反発
重量どちらも軽量(約380~390g)
アッパーNNは通気性と柔軟性が良好
フィット感NNのワイドラスト設計が秀逸
サポート感GB21は合成樹脂のアッパーに安心感

written by 空リュウ

【バッシュ】アシックス「ゲルバースト21」の私見・評価

ゲルバースト21-アシックス-クッション-グリップ

初代モデル(1997年)が発売されてから実に20年が経過し、2017年モデルが21作目というアシックスの人気シリーズ「ゲルバースト」。

2017年4月、デザインを一新し、スタイリッシュなバッシュとして「ゲルバースト21」が発売されています。

洗練された仕上がり「ゲルバースト21」

ゲルバースト21のデザインを最初見たときに思ったことは、「何となくアシックスぽくないな」という良い意味での印象でした。率直にいうと、「意外とカッコイイ」という評価です。

個人的には、「アシックスのバッシュといえばジャパンL」という感覚で、長きに渡ってジャパンLを愛用してきました。しかし、そのジャパンLが2017年4月でついに生産終了。

使用しているジャパンLが寿命というタイミングだったこともあり、いろいろ思案した結果、時流には逆らわない選択をしました。

つまり、最新の技術を装備しているゲルバースト21を購入しようという判断です。長期間ジャパンL以外のバッシュには見向きもしなかったので、個人的には思い切った判断をしたと思っています。

秀逸なグリップのアウターソール

ゲルバースト21-アシックス-クッション-グリップ

ゲルバースト21を履いて2ヶ月が経過しましたが、ソールのグリップ力はかなり秀逸だと感じました。

ジャパンLのグリップ力もかなり優れていましたが、グリップ力についてはゲルバースト21も申し分なく、ラバー(ゴム)の性能は“The asics”を感じられるクオリティです。

いくつかのコートで試しましたが、滑る感覚は一度も受けていません。というよりもむしろ、“止まる”という印象です。やはり最新の技術はモノが違うというところでしょうか。

メーカーがドライブ力を売りにしているところからも、横の動きに強い構造になっているようです。

かかと部にエクストラヒールカウンターを搭載。内側より外側を高くした形状により、ドライブ動作時のシューズ外側への倒れ込みを抑制。
~メーカー商品紹介より~

足の負担を軽減するクッション性

ゲルバースト21-アシックス-クッション-グリップ

衝撃緩衝材GELをミッドソールに、SpEVAをかかと部分に内臓。

ゲルバースト21を履いて最初に感じたのが、この優れたクッション性です。一歩踏み出すたびに、地面と反発して浮き上がるような感覚を覚えます。

その反発が次の一歩への原動力になっているかのような感覚。おそらく推進力のもとになっているはずのこのクッション性に、まずは衝撃を受けました。

クッション性の弱いバッシュを履いている人がゲルバースト21へチェンジした場合、練習や試合を終えたあとなど、足の裏の疲れがかなり軽減されていることに気づくはずです。

足首以下をサポートするアッパー

ゲルバースト21のアッパーは合成樹脂製で、内部に柔軟な素材が使用されています。

網目状に凹凸のある仕様が強度を支え、見た目にもクールなデザインになっています。個人的にはこのアッパーの仕上がりが気に入っています。

見た感じは堅そうな印象を受けますが、履いて紐をぐっと縛ると、素材の意外な柔軟性に気づくはずです。足首以下が、がっちりサポートされている感覚です。

ゲルバースト21を履いて紐を縛ったとき、いつか聞いたショップ店員の言葉が脳裏によみがえってきました。

「海外のプレイヤーは足をガチガチにサポートしてくれるバッシュを望む傾向が強いんです。なので、日本人がジャパンLに対して求めるような、アッパーの革を足になじませるという感覚は理解しがたいみたいです。悲しいけど、時代の流れというやつですかね」

  • 私見による性能比
項目JapanLGB21短評
グリップGB21のラバーは安定してグリップが効く
クッションGB21のクッショニングは秀逸
重量GB21(約390g)の方が明らかに軽い
アッパー強度という点で合成樹脂のGB21は優秀
吸い付き感JapanLのフロアへの吸い付き感は圧倒的
フィット感JapanLの本革は足になじむ感覚が秀逸
サポート感最新技術で足を保護するGB21に安心感

written by 空リュウ

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【バッシュ】「ジャパンL」2017年4月末で生産(製造)終了に

ファブレ-ジャパンL-バッシュ-2017年製造中止

悲報!アシックス「ジャパンL」が2017年4月で生産(製造)終了に

1982年の発売以来、35年もの長きにわたって人気を博したアシックス・ファブレ「ジャパンL」が、2017年4月をもって生産(製造)終了になるとのことです。

抜群のグリップ力と、本皮(天然皮革)特有の足なじみのいいフィット感で名高いジャパンL。愛用し続けてきただけに大きなショックを受けました。

また、ソールの交換も同様にサポートされなくなるとのこと。あまりに悲しすぎるメーカー判断です。真偽についてメーカーに問い合わせたところ、以下のスケジュールで終了するとの回答がありました。

  • 2017年2月末:ソール交換サポート終了
  • 2017年4月末:「ジャパンL」生産(製造)終了

以下はジャパンLのソール交換、生産終了について、メーカーからの回答(原文)です。

日頃から当社商品をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。

『ファブレジャパンL(品番:TBF707)』のソール交換修理に関しましてですが、あいにく当社直接の修理対応というのは行っておらず、あくまでも販売店を通してお申し出をいただいており、2月末までの店頭受付を最終とさせていただいております。

また、今後は4月末の生産分をもちまして全て終了の予定となっておりますが、既にご注文分が一杯で出荷店は決まっているという状況でございます。

なお、ソール交換修理を受けている取扱店は限られます事ご了承いただきますようお願い申し上げます。

残念なご案内となりました事、心苦しい限りですが、長年のご愛顧に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

参考まで、メーカーWebサイトでは、ジャパンLの商品ページに以下の表示が掲載されています。

申し訳ございませんがファブレ®ジャパンLはオンライン販売を終了致しました。

新たなジャパンLの投入を願って

ファブレ-ジャパンL-バッシュ-生産(製造)終了

昨今のスタイリッシュなバッシュのアッパーは、ほとんどが合成樹脂で製造されています。足ががっちりサポートされている感じはするのですが、ジャパンL特有の本皮の足なじみ感とは別物です。

クッション性も最新バッシュには劣ります。しかし、ジャパンLのグリップ力は、何ものにも変えがたい秀逸なコートへの吸いつき感があります。総合すると、決して抜き出た評価にはならないかもしれませんが、ジャパンLのもつグリップ力を体感した者にとっては別格です。

生産(製造)終了は悲しい判断ですが、いつか、このグリップ力を備えた“NEWジャパンL”が発売される日が来ることを願うばかりです。

written by 空リュウ

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【Bリーグ】バスケ統一プロリーグ9.22開幕 ~分裂から統合へ~

Bリーグ開幕-アルバルク東京-ゴールデンキングス沖縄

2016.9.22、新たなステージへの第一歩、「Bリーグ開幕」──。

完全プロ化の統一リーグ。この新リーグのスタートは、日本のバスケ界において大きな意味をもっています。

それは、トップリーグが2つ存在していた混沌とした歴史に、ようやく終止符が打たれたことを意味します。ただ、ここにたどり着くまでの紆余曲折をふり返ると、手放しでは喜べないというのが正直なところです。

混迷の中で経過した20年という歳月

顧みればJBA(日本バスケットボール協会)がプロ化を公言してから約20年の歳月が流れたことになります。当初(1990年代)のプロ化構想は、NBA人気に後押しされる世界的なバスケブームや、不況による実業団チームの廃部など、外部から受ける影響によって発想されたものでした。

これが2000年代に入って、より具体的に動き始めます。

実業団チームを抱える(プロ化に否定的な)母体企業と、プロリーグ設立に向けて動く(プロ化を目指す)チームとで意見が割れ、スーパーリーグ(のちにJBLに改編)から埼玉と新潟が脱退し、プロチームで構成するbjリーグを設立したのが2005年。興行権を得て収益を上げるモデルを前提としてリーグに参加していた新潟からすれば、一向に進まないJBAのプロリーグ構想に業を煮やすのももっともな話です。

それから約10年──。日本バスケ界はプロ化に向けた検討で揺れに揺れました。というよりも、JBAのプロリーグ設立に向けた動向は、結果として10年の歳月を経てもほとんど何の進捗もありませんでした。

形としては公言するものの、本質は何も変わらず

JBAはプロリーグ設立を何度か公表しましたが、JBL所属チームの母体企業から提示条件の承諾が得られず、また、bjリーグ側との統合に向けた話し合いも進展しませんでした。プロリーグ設立という大義名分を掲げるものの、実現させるための計画や努力がみられず、リーグが分裂した事の重大さを認識できていなかったのが要因でしょう。

現状維持を良しとし、発展を阻害する一部の権力が諸悪の根源とみられていましたが、それよりも大きな問題として、協会のガバナンス(管理、統治)の欠如が10年という貴重な時間を浪費したといえます。この点については、のちにFIBA(国際バスケットボール連盟)からも改善を指摘されています(詳細は後述)。

この間、起きたことといえば、大まかには以下のような事がらです。

  • 協会の独断により、bjリーグ所属チームからは代表選手を選出しないことを通達
    → 2010年bjリーグ公認により解除


  • 日本代表HCに名将ジェリコ・パブリセヴィッチを招致するも協会の独断は止まらず、軋轢が生じてのちに解任(2003-2006)
    → 2006年日本開催の世界選手権で若手主体のチームで臨み、格下ながら強豪国相手に善戦
    ※ 2009年FIBAは「過去50年間におけるベスト20のヨーロッパコーチ」にジェリコを選出


  • 2006年日本開催の世界選手権で13億円の巨額赤字を計上
    → 赤字補填を広告代理店と折半し、のちに協会登録会費を値上げして回収を計画


  • 評議委員会の混乱(補正予算審議他)が長引き、JOC(日本オリンピック委員会)が介入
    → 一時事態は終息するも、JOCは2007年度強化交付金の中止を決定


  • リーグ統合への進捗がみられない協会に対し、2014年FIBAより国際資格停止処分を通達される(すべての国際試合へ出場が不可能に)
    → 2014年FIBAがJBA改革を目的としたJAPAN 2024 TASKFORCEを設立
    → 2015年JPBL(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)設立により解除

要約してしまうと実態は把握しづらいですが、場当たり的な対処事例が多く、本当にこれが日本のトップリーグを司る組織なのかと懐疑的に見てしまいます。

氷河期に終わりを告げ、新たなステージへ

2015年1月、JBAの刷新を目的としたJAPAN 2024 TASKFORCEが結成され、チェアマンのポストにあの川淵氏が就任し、メンバーにFIBA事務総長バウマン氏が名を連ねました。要するに、川淵氏の手腕にすべてを託し、FIBAがバックについて、JBAの改革に乗り出したということです。

長期にわたって対立を続けたNBL(JBLから改称)とbjリーグでしたが、わずか1年半という短い期間で統一されたことになります。一国に2つのトップリーグが存在するという異常事態に終止符が打たれ、ようやく統一のプロリーグが誕生しました。正式名称はJPBLですが、通称「B.LEAGUE」としてスタートしました。

Bリーグ- B.LEAGUE

トッププロリーグは1部、2部、3部で組織されますが、将来的には、トッププロリーグを頂点としたピラミッド構造とし、下部組織(実業団リーグ、クラブリーグ)の再編を計画として見込んでいるようです。

FIBAから課せられた命題は3つ

JPBL設立によりリーグの統一は果たされたわけですが、実はFIBAから提示された要求は計3つあり、他に2つの課題が残されていました。

  1. 男子2リーグの統合
  2. JBAのガバナンスの強化
  3. 日本代表(男子・女子)の強化体制確立

2については、タスクフォース会議によって、定款を変更し、基本規定を改正して抜本的に改革されました。中身としては、「理事の人数を削減(6名以上18名以内)」「JPBLを最高位のトップリーグとする」「各都道府県協会を法人化する」「各都道府県協会はJBAの規則に従う」などが明文化されています。

もともとJBAのガバナンスが確立されていれば、1に関するリーグの分裂という事態には至らなかったはずです。ガバナンスを強化することが、未来の日本バスケ界を形成していく礎となるでしょう。

アンダー世代の強化体制を確立

3の強化体制については、日本代表のみならず、アンダー世代についても改正が及んでいます。特に男子バスケのレベルは、アジアの中でも決して高いとはいえません。一時期よりは向上しつつあるものの、むしろ低迷期です。世界に追いつくためには、若い世代からスキルを習得させないと厳しいという判断でしょう。中でも、最たるものの一つに、「15歳以下のゾーンディフェンス禁止」があります。改正されるまでの状態として、12歳以下で90%、中学校の70%がゾーンディフェンスを中心にプレーしていたとのデータが公開されています。

ゾーンディフェンスがベースということは、必然的に1対1の基礎トレーニング、マンツーマンディフェンスの経験が乏しくなり、1対1の局面でスキルが低いことが露呈します。それを早い段階から修練し、世界レベルから遅れをとっているウィークポイント、特にディフェンスを強化していこうという表れでしょう。ゾーンディフェンス禁止については賛否両論あると思いますが、試みとしては悪くないように思います。

また、高校ではほとんどが2年生、3年生でチームを結成するため、U16のプレータイムが乏しいとも指摘しています。そのため、1年生だけの大会や試合数を増加させ、1年生だけのリーグを設立することも計画に含んでいます。

さらに課題の一つでもあった代表への召集ですが、(試験などの)明確な理由がなく参加しなかった場合、半年間の試合出場停止という処分が下されることとなりました。過去には、代表召集よりも自チームの地区予選などを優先していたという事例もあるようです。

他にも、若く才能のあるコーチを発掘するためのコーチ教育課程の実施や、審判教育の国際水準への順応など、タスクフォース会議で着々と改革の骨子が決定されています。

B.LEAGUEをメジャースポーツへ押し上げるために

JBAがプロ化を公言してから約20年になるのは前述のとおりですが、混乱と混迷の繰り返しで進捗のなかった体制を、大なたを振るって解体し、1年半で基礎まで築き上げた労力と信念には感服の一言です。のちに、川淵氏はインタビュー(動画)で、「できないできないと嘆くばかりで、規模の小さい話しかしない相手に、怒りしか湧いてこなかった。怒りがあのときのパワーの源だった」とふり返り、会場の笑いを誘っていました。エピソードを語るその口調が徐々に熱を帯びていたことからも、そのときの激論ぶりがうかがえます。

いろんな事態が発生し、紆余曲折を経てようやくたどり着いた統一プロリーグの開幕。低迷しているバスケ人気が復活し、成熟したメジャースポーツに発展することを祈るばかりです。

秘めたポテンシャルを成熟させるために

バスケの競技人口は、世界で約4億5,000万人で1位。日本国内では約570万人で11位といわれています。2014年中央競技団体の登録競技者数は、サッカーに次ぐ2位の619,823人との統計もあります(出典:笹川スポーツ財団)。

国内では興行的にマイナースポーツの部類ですが、メジャースポーツに成長するポテンシャルを秘めた競技であることは間違いありません。そこに着目してB.LEAGUEのトップパートナー契約を結んだのは例のソフトバンク。川渕氏からの打診に孫社長が即応したといわれ、年間30億円もの大型契約と報じられました。ソフトバンクはNPBのソフトバンクホークスで黒字経営を続けていることもあり、プロスポーツ球団の経営には自信とノウハウをもっているのでしょう。

Bリーグ開幕-アルバルク東京-ゴールデンキングス沖縄

そして、そのB.LEAGUEの記念すべき9.22開幕戦は、トヨタが母体の強豪アルバルク東京と、bjリーグ最多優勝回数を誇る琉球ゴールデンキングスの一戦でした。

エンターテインメント性を前面に押し出したオープニングセレモニー、世界初のLEDコートでのCG演出など、豪華な幕開けを飾り、世間の注目を集めました。ポテンシャルはあるもののプロスポーツとしてはマイナーな現状を鑑みれば、これぐらいの趣向と派手さは必要でしょう。これからは、バスケを知っている人を集客するのではなく、バスケを知らない人を集客しなければいけません。

対戦カード的には、戦前はアルバルクのワンサイドもあるかと予想していましたが、ゴールデンキングスが速攻でテンポよく展開し、ディフェンスも粘り強く耐えるなど4Q終盤まで善戦。最後は元NBAのギャレット、代表経験のある竹内譲次、田中大貴、松井など、タレント揃いのアルバルクが地力で勝り、歴史的一戦を80-75でアルバルクが勝利しました。

ただ、アルバルクは決定的な場面でのミスショットがいくつかあり、個人的にはクオリティについて不満が残りました。大舞台で緊張もあったと思いますが、トッププロのプレーヤーとして、ブースターを魅了するようなスキルは身につけてほしいところです。

しかしながら、B.LEAGUEは始まったばかりです。B1、B2をそれぞれ18チームずつで構成し、東地区、中地区、西地区のディビジョンに分けてシーズン60試合を戦っていきます。ビッグスポンサーがついたことを楽観視せず、地域に根ざした活動に力を入れて集客に尽力し、ぜひともブースターの心をつかんでチーム運営を成功させてほしいと願います。そしてB.LEAGUE設立を機に日本人選手のレベルが上がり、アジア、またその先の世界で、強豪国と対等に戦う勇姿をブースターは期待しているはずです。

written by 空リュウ

【バッシュ】アシックス「ジャパンL」グリップ抜群のロングセラー

ファブレ-ジャパンL-バッシュ-グリップ

スタイリッシュなデザインのバッシュが人気の昨今、レトロ感漂う逸品アシックス・ファブレ「ジャパンL」。

このバッシュのグリップに衝撃を受けてから、かれこれ10年以上愛用し、5足以上履きつぶしたリピーターです。

パフォーマンスの向上を約束してくれる「ジャパンL」

1982年に発売されて以降、今もなお一定の人気を保ち続け、売れ筋ランキング上位にも名を連ねているジャパンL。

ジャパンLの特長は、何といっても抜群のグリップにあります。フロアをしっかりキャッチし、吸いついているような感覚さえ受けます。

当時、ジャパンLに変える前は、ナイキやリーボックを履いていましたが、グリップ力がまったく違いました。どれぐらい違うんだと聞かれたときに、比喩的に、「ジャパンLに変えてクイックネスが1.5倍増したような感覚」と伝えてきました。特に、一歩目や切り替えしのときにそれを実感できます。パフォーマンスの向上を約束してくれるグリップ力があることは間違いありません。

ファブレ-ジャパンL-バッシュ-グリップ

昨今では珍しいことですが、ジャパンLのアッパーは本革です。同系でポイントゲッターも本革をアッパーに使用していますが、ポイントゲッターはカンガルー革で、ジャパンLは牛革です。

足馴染みはカンガルー革のほうが早いかもしれませんが、牛革は耐久性に優れています。よほど雑に扱わない限り、ジャパンLは他のバッシュより長持ちするはずです。

一方、ジャパンLが最新のバッシュに劣る点は、クッション性と重量でしょうか。アシックスの場合、ゲルバーストなどに衝撃緩衝材GELが搭載されていて、クッション性に優れています。

また、同様に、ゲルバーストなどに比べると重いといわれています。クッション性が劣る点は認識していますが、個人的には、重量はほとんど気になりません。

クッション性については、インソールを市販の「ファブレ中敷α」などに変えれば、いくらか増すと思います。

価格、デザインが変わらずとも「ジャパンL」リピーターに

ファブレ-ジャパンL-バッシュ-グリップ

価格も落ちませんし、デザインも変更がありません。デザインについては、無骨とも思えるシンプルなデザインですが、かえってそこがカッコ良く見えたりします。

そして、ソールの天然ゴムは、アシックス独自の高い技術力の産物です。これが30年以上もの長い間、プレーヤーから支持され続けている礎でもあります。“特許申請せずブラックボックス化させた”という逸話もありますが、ソールの技術は、どのメーカーも外には漏らさない最後の砦なのだろうと察します。

発売後、モデルチェンジなく現在に至っているジャパンLですが、一世を風靡した時代もありました。2000年以降には、サイドのラインが限定カラーになったバージョンも発売されるなど、ジャパンLリピーターにかなりの人気を博しました。古い例になりますが、スラムダンクの三井が履いているのはジャパンL(白/赤)、というのは有名な話です。

おそらく、この先も仕様の改良はないのだろうと思っていますが、ジャパンLのグリップ力とフィット感にはまだまだ頼っていくことになりそうです。

written by 空リュウ

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テキストのコピーはできません。