【2017NPB】横浜DeNAベイスターズがCS下克上で日本シリーズへ

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2017横浜ベイスターズ-クライマックスシリーズ下克上

2017年度NPBセリーグ・クライマックスシリーズは、ファイナルステージで横浜DeNAベイスターズが広島東洋カープを対戦成績4勝1敗で下し、ベイスターズが19年ぶりとなる日本シリーズ進出を決めました。

ペナントレース3位のベイスターズは、ファーストステージでペナントレース2位の阪神タイガースを2勝1敗で下しているため、3位のチームが日本シリーズに進出するのはセリーグでは初となります(パリーグは2010年の千葉ロッテマリーンズ)。

マシンガン打線を彷彿とさせるDeNAベイスターズ打線の下克上劇場

1990年代にその名を轟かせた“マシンガン打線”の勢いが、今回のクライマックスシリーズのベイスターズ打線に垣間見れた気がします。対阪神とのファーストステージ初戦こそ沈黙しましたが、2戦目の逆転勝利を機に打線の勢いは増し、ファイナルステージでも1敗から4連勝するなど一気の爆発力がありました。

悪条件での勝利が下克上の序章に

2017横浜ベイスターズ-クライマックスシリーズ下克上

ファーストステージ初戦を0-2で落としたあとの第2戦は、雨天泥グラウンドでのゲーム。

先に2勝したほうがファーストステージ突破という状況で阪神に先制され、崖っぷちのベイスターズ。しかし、主軸のロペス、宮崎らの犠飛、タイムリーで逆転に成功。さらに、筒香のタイムリー、代打・乙坂の3ランなどの猛攻も加わり、結果13-6の大勝でした。

この勢いのまま第3戦も6-1で阪神を下し、ベイスターズがファーストステージを突破。

今回のクライマックスシリーズで課題にあがったのは日程でしょう。いくら後ろが詰まっているからとはいえ、あの泥グラウンドの悪条件の中ゲームを強硬するのは、プロの興行とはいえないレベルです。のちに、妥当とはいえ、ファイナルステージ初戦で5回降雨コールドゲームの判断をしたのも物議をかもしました。

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投打がかみ合うベイスターズ、らしさが出ないカープ

ペナントレース1位のカープはアドバンテージの1勝にくわえ、ファイナルステージ初戦を降雨コールドで勝利。4勝を先勝したほうが日本シリーズ進出という条件で、2勝0敗という圧倒的に有利な立場となりました。

しかし、第2戦はベイスターズ先発の濱口が粘りの投球をみせ、打線も奮起してカープ先発野村を打ち崩し、6-2でベイスターズが勝利。ここからベイスターズの逆襲が始まりました。

さらに、続く第3戦をベイスターズは7人の投手で継投。投手戦を制して1-0で連勝しました。これで対戦成績2勝2敗のタイに。ベイスターズ先発井納が自ら決勝タイムリーを放つなど、流れがベイスターズに傾きつつある雰囲気です。

第3戦のあとは雨が続き、雨天中止で2日流れました。これで流れが変わるケースもありますが、ベイスターズの勢いは止まりません。

2017横浜ベイスターズ-クライマックスシリーズ下克上

第4戦はカープが初回にいきなり丸の2ランなどで3点を先制。しかし、ベイスターズが4回に筒香のソロホームラン、続く5回に桑原、ロペスのタイムリーで逆転に成功。7回からは今季勝ち頭の今永を中継ぎで起用し、7、8回とカープ打線を零封するなど、投打がかみ合いました。

一方のカープは対照的な内容。初戦で5回無失点だった薮田が、この試合4回0/3を投げて4失点で降板。打線もダブルプレーを3つ喫するなど、拙攻が目立ちました。これでベイスターズが日本シリーズ進出に大手。

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背水の陣となったカープは、第5戦またもや初回に丸、バティスタのタイムリーで先制します。しかし、ベイスターズはこの試合でも2回から5回まで4イニング連続で得点をあげ、あっさりと逆転に成功。さらにその後も3点をくわえ、一気にカープを突き放します。結局、ベイスターズ打線は計5本のホームランを含む16安打でカープを圧倒し、9-3で第5戦に勝利して、対戦成績4勝2敗で日本シリーズ進出を決めました。

カープはペナントレースで2位阪神に10ゲーム差をつけ、今季ぶっちぎって優勝しましたが、対戦成績をみると、唯一ベイスターズにだけ負け越しています(12勝13敗)。アドバンテージの1勝はありましたが、相性は五分。むしろ、苦手意識があって、短期決戦ではもっとも対戦したくない相手だったのでは。

短期決戦の流れを引き寄せたラミレス監督の名采配

シーズン143試合、期間にして約7ヶ月もの間戦い抜くペナントレースとは異なり、クライマックスシリーズは超短期決戦です。

能力のある選手が調子が上がらないため、我慢して使い続けるということをペナントレースではよく見聞きしますが、わずか3戦、7戦という短期決戦ではそんな悠長なことはしていられません。

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昨年日本一になった北海道日本ハムファイターズ・栗山監督の采配は、クライマックスシリーズ、日本シリーズの短期決戦で正に効果的でしたが、同様に今回のクライマックスシリーズで短期決戦としての采配が冴えていたのはベイスターズ・ラミレス監督でした。

2017横浜ベイスターズ-クライマックスシリーズ下克上

打線の入れ替えなどはシーズン中から見られましたが、とりわけ、短期決戦としての投手継投に妙を見ることができました。

そのひとつがファイナルステージ第4戦。1点のリードを守るために計7人の投手で継投し、強力カープ打線を3点に抑えることに成功したゲームです。特に、7回に今永を投入したところにラミレス監督の才能がうかがえます。

対戦成績2勝2敗とし、第4戦は日本シリーズ進出に王手をかける大事な一戦。6回終了時点で4-3とリードし、9回のマウンドを託すクローザー山﨑につなぐまでの7、8回をどう抑えるかという点がポイントでした。ここで左のエース今永を送り込むという采配にラミレス監督のセンスをみます。

2017横浜ベイスターズ-クライマックスシリーズ下克上

ふつうであれば、シーズン中の勝ちパターンを崩したくないというのが監督の心理でしょう。結果的にそれでも抑えることができるのかもしれませんが、シーズン中にはない短期決戦特有の選手起用をすることで、選手にも緊張感を与えられるでしょうし、勝負をかけていることも伝わるはずです。何より相手が面食らい、まともに準備ができないという奇襲効果もあります。この場面は3勝目がかかった大事な一戦の勝負どころであり、0点で抑えるもっとも確率の高い投手をラミレス監督が起用したと判断できます。

同様に、第5戦の先発石田が初回に2失点を与えたところでも早々に継投に入っています。第2戦で先発した濱口を三番手で起用するなど、ここでも大胆なアイデアを実行しています。それぞれの場面で英断したラミレス監督の采配は当然評価されるべきものですが、その起用に応えた選手がそれ以上に素晴らしかったといえます。

「短期決戦では普通の人が考えないようなアイデアが重要」と語っているように、ラミレス監督は相手より先に動くことで相手の勢いをそぎ、自軍が優位になる流れをつくる戦術をとっています。少なからず、この戦い方は他のチームも参考にする風潮が出てくるのではないでしょうか。

written by 空リュウ

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