【2017WBC】準決勝「日本VSアメリカ」│届かなかった1点

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WBC2017-日本VSアメリカ戦

2017年WBC1次ラウンド3戦全勝、続く2次ラウンドも3戦全勝。計6戦全勝で決勝ラウンド進出。

今回の目玉といわれた日本ハム・大谷翔平の離脱もありながら、正直、ここまで投打が躍進し、世界の強豪相手に連勝するとは予想していませんでした。柱となる存在が抜けたからこそ全員でチームを盛り上げ、一人ひとりが個の力を出し切ったといえるのかもしれません。

決勝ラウンドは負ければ敗退のトーナメント戦。一発勝負は時の運もありますが、それを呼び込んで勝ち上がってこその世界一でもあります。

世界一奪還への大一番「アメリカ戦」

アメリカは過去3大会で、ベスト4(第2回)が一度だけという実績。3月開催という時期的なものもあり、WBCそのものを疎んじていた傾向が強く、所属チームの事情もあってメジャーの選手は参加に消極的でした。

WBCへの意識が低いぶん、たいした結果も残していません。メジャーが世界一という観念から、他国の野球のレベルを軽くみているという節も当然あるでしょう。そのアメリカが第4回大会にしてようやく、メンバー全員メジャーリーガーという意気込みをみせてきました。

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メジャーのバッターに日本のSUGANOを知らしめたフォーシーム

WBC2017-日本VSアメリカ戦

日本の先発は菅野(巨人)。

キューバ戦では力みがあってコントロールを乱し、甘く入った球を痛打されましたが、平常心で本来の力を出せば、メジャーの一流バッター相手でも試合がつくれることを証明しました。

メジャー級のフォーシームで、アメリカの主軸から空振りをとる圧巻のピッチング。一線級のバッターが、まともに芯でとらえられない様は痛快そのもの。まさに快投でした。

4回表のアメリカの攻撃で、セカンド菊池のエラーをきっかけに1点を奪われましたが、6回を投げて打者22人に対し、被安打3、奪三振6、与四球1、失点1、自責点0という申し分のない内容。先発の責務を果たしました。

試合後、敵将リーランド監督も菅野を“メジャー級”と称し、コントロールの良さを絶賛していました。この日の菅野は特にフォーシームの走りが抜群に良かったと思います。特に、インハイのフォーシームをメジャーのバッターが空振りしているのが印象的でした。

メジャーで即通用するピッチャーと評価されたスプリッターSENGA

WBC2017-日本VSオランダ戦

菅野のあとを受けて、7回からマウンドに上がったのが千賀(ソフトバンク)です。

1次ラウンド、2次ラウンドでの快投は既に世界に知れわたり、“SENGA”の評価はうなぎのぼり。アメリカ戦を終えた時点で、奪三振16は菅野と並んで出場選手中トップの数字です。

7回表のアメリカの攻撃は、5番ホスマーから始まる打順でしたが、いきなりアクセル全開で驚愕の三者三振。オールスターにも出場した3選手でしたが、千賀のピッチングが圧倒しました。落差のある千賀のスプリットは、アメリカ打線に強烈なインパクトを与えたはずです。

8回に連打を浴びて1アウトランナー2、3塁の場面を招いてしまい、サードゴロの間に1失点。2番A・ジョーンズの打球はサード松田の前へ転がるイージーなバウンドでしたが、バックホームを焦った松田が打球をファンブルしてしまった結果です。

千賀は7、8回を投げて打者8人に対し、被安打2、奪三振5、失点1、自責点1という内容でした。特筆すべきは、トップクラスのメジャーリーガーを相手に、アウト6つのうち5つを三振で奪ったこと。三振がとれるピッチャーは高い評価を受けます。この大会でメジャーリーガーSENGAという門戸が開かれたのは間違いありません。

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日本打線がとらえられなかったアメリカ投手陣のツーシーム

WBC2017-日本VSアメリカ戦

アメリカに1点先制されてしまいましたが、日本のファンは、過去6戦で見せたような打線の奮起を期待していたと思います。しかし、継投でつなぐアメリカのピッチャーを日本の打線はとらえきれませんでした。6回裏の2番菊池の同点ホームランが唯一とらえることができた一打でしょう。

試合後、5番中田(日本ハム)は、「ボールが予想以上に動いていた」と語っています。「スピードは感じないが、ツーシームに差し込まれる」とも。どのバッターも、NPBでは見ることのないメジャーのツーシームに戸惑っていたという印象です。バットには当たるものの、芯をはずされた勢いのない打球を前に飛ばすのがやっとでした。

象徴的だったのは、8回裏、代打内川(ソフトバンク)のヒットを足がかりに、2アウトランナー1、2塁で4番筒香(DeNA)を迎えた場面です。5番手マランソンから筒香が放った打球は、ホームラン性の角度で上がりましたが、伸びを欠いてライトフライに終わりました。この一打もやはり、差し込まれて芯をはずされていた結果でしょう。

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紙一重の内容ではあるものの、勝ち負けは大きな差

WBC2017-日本VSアメリカ戦

1点を追いかける展開に、最後は力尽きた侍ジャパン。

4回、8回、いずれも守りのミスが絡んでの失点でした。日本は投手力を中心に堅実な野球で勝つことを信条にしているだけに、悔やまれる内容です。雨で湿った天然芝という状況で、読めないバウンドになったり、わずかなスリップが発生するなど、不運なことも重なったと思います。

この試合に関しては、メジャーのピッチャーを打ち崩すことができなかったことが敗因です。いくら日本のピッチャーが良いとはいえ、世界の強豪を0点で抑えることは至難の業です。ある程度打線がつながって得点しないことには勝利は見えてきません。

菅野、千賀が強力アメリカ打線を相手に好投し、最少失点で抑えましたが、その中でも何本かはバットの芯でとらえられ、痛烈な打球をはじき返されていました。さすがメジャーリーガーといってしまえばそれまでですが、日本のバッターもメジャーのピッチャーに対応できるスキルを身につけることが不可欠です。次回WBCでは、メジャーのピッチャーのツーシームを、日本の打線が打ち込んで得点するシーンが見られることを期待しています。

  1  2  3  4  5  6  7  8  9 
アメリカ 0  0  0  1  0  0  0  1  0 2 6  0 
日本 0  0  0  0  0  1  0  0 0 1  4  1 

【勝】ダイソン 【負】千賀
【本】[日本]菊池(1号)

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written by 空リュウ

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