【ドラマ】「64(ロクヨン)」を観た私見・感想

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64-ロクヨン-NHKテレビドラマ-感想

別の記事で映画「64(ロクヨン)」(2016年、主演・佐藤浩市)が豪華キャストで話題を呼んだことにふれましたが、映画公開の1年前(2015年)、NHKドラマ版「64(ロクヨン)」(主演・ピエール瀧)が全5話で放送されています。

本作は、昭和64年の7日間に起きた未解決事件(少女誘拐殺人事件)に起因する、多くの人間のその後の人生を描いた傑作ミステリ。

当時、原作・横山秀夫著「64(ロクヨン)」を映像化するにあたり、主演・ピエール瀧というキャスティングが注目されたようです。DVDには特典映像が収録されていますが、番宣でピエール瀧がNHKトーク番組に出演した際、「なんで自分にオファーがあったのか分からなかったが、三上役は昭和の顔を探していたといわれて妙に納得した」というコメントをしていました。第1話を撮り終えた直後の出演だったようですが、編集されたオンエア用の映像を見て、「本当に面白い作品に仕上がっています」とも。

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疑念に駆られながらも貫き通す信念

64-ロクヨン-NHKテレビドラマ-感想

県警広報官の三上(ピエール瀧)は、警察の縦割り組織の中で板ばさみになりになりながらも、信念を貫く硬派。メンタル面でブレないタフさがあることを感じさせます。

三上を演じたピエール瀧は、「原作を読んで自分なりに三上という人物を想像して演じ、結果として、ほとんどのシーンで仏頂面が多かった」といっています。

また、原作の著者が元新聞記者であることからも、終始、広報官である三上を中心とする警察組織と、新聞記者の秋川(永山絢斗)を中心とするメディアとの軋轢が色濃く描かれています。警察組織の盾となり、メディアとの間で板ばさみになる三上の心情は痛いほどよく伝わってきます。

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逃れられない64のしがらみとは──

64-ロクヨン-NHKテレビドラマ-感想

三上と同期で県警調査官の二渡(吉田栄作)も強い存在感を放っています。未解決事件に関連する捜査の中、いく先々で自分より先に動いている人物がいることを知れば、おそらく誰でも鼻につく存在に感じるでしょう。

競争が発生する組織には必ずといっていいほどライバルが存在しますが、客観的に見れば、三上と二渡が凌ぎを削ることで、組織力としては底上げされることになります。

ほかにも、直属の部下との信頼関係、家庭で抱える親子間の問題など、一見、事件とは無縁に思えるようなことも実は密接に絡み、緻密に構築されたプロットであることがうかがえます。

警察とメディアという、特殊な職種を題材としたストーリーですが、ふれられている“人間の内面”は、誰にでも存在し得る強さであり、弱さでもあります。時間を置いてまた見ると、また違った景色が見える作品なのかもしれません。固定観念をもたずに鑑賞できるのであれば、映画版と合わせて鑑賞しても良いと思います。

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written by 空リュウ

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